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ゆうらいふ寄席(R6/8/27ゆうらいふ長浜)

  • ゆうらいふ長浜 50名
  • おかっぱ「ひとくち小咄」、あーと「動物園」「まんじゅうこわい」、紅歩っぺ「弟の手紙」「ネズミの大きさ」「おしっこの検査」「牛ほめ」

 初めての出雲市公演でした。老人ホーム「ゆうらいふ長浜」の多目的ホールいっぱいに集まった入所者や職員のみなさんの前で3人が演じました。
 開口一番は、高座デビューの活塾亭おかっぱ。4歳、当塾の最年少教室生です。後で聞くとドキドキしていたそうですが、端から見ていると落ち着いたものです。元気いっぱいに名乗って、短い小咄を3つ語り、次にバトンタッチするまでまったく危なげありませんでした。9月は高座がたくさんあります。経験を積んでどんな成長ぶりを見せてくれるかとても楽しみです。

 2番手は、あーと。この日は「動物園」と「まんじゅうこわい」。毎度公演先に合わせて一工夫も二工夫もしてきます。ゆうらいふは、出雲市のそれも出雲大社に近い長浜にあります。「大社高校」「俵まんぢう」「花馬(はなんば)饅頭」などなど、ご当地の人たちにとってのど真ん中ストレートを次々と投げ込みました。お客様のどよめきと拍手、会場が一気に盛り上がりました。

 トリは、紅歩っぺ。小咄三題と「牛ほめ」を演じました。「牛ほめ」を高座にかけるのは4回目。言い間違いや聞き間違いで笑わせる王道滑稽話です。この日のお客様もよく笑ってくださいました。これからもっともっと回数をこなして「活塾亭」の基本ネタに育ててほしいものです。紅歩っぺとおかっぱ姉妹は、出雲市在住の教室生です。ふるさと出雲での公演を地道に重ね、かわいがってもらいますように。

 この日、印象的だったのは、終演後みなさんがそれぞれの居室に帰って行かれるのにとっても時間がかかったことです。一人一人にお礼を言ってお見送りするのはいつもの光景ですが、入所者のみなさん、子どもたちに声をかけたり握手を求めたりと名残惜しがっておられました。

朝日公民館主催文化講座(R6/8/23朝日公民館)

  • 朝日公民館 40名
  • 出演と演目 紙ひこうき「雨もり」「何もしていない」、気まぐれ「寿限無」、いる歌「カレンダー」「あなごのからぬけ」、ふらめん子「オランダのウグイス」「皿屋敷」、(仲入り)、ぬり江「転失気」、あーと「てれすこ」「おしどり(小泉八雲『怪談』より)」、八三つ「無精ねこ」
紙ひこうき、新作の折り紙工作を披露。宇宙船がアンテナを広げるように伸び縮みします。進取の気鋭。
寝ている寿限無を起こす気まぐれ。高座に上がる度に声も動きも大きく強くなります。
登場人物になりきった声や言葉の使い方がずいぶんとうまくなりました。おじぎもきりっとしたいる歌。
ふらめん子の扇子はフラメンコ用。マクラや小咄で大活躍。皿屋敷のお菊さんも踊り出しそう。
言葉一つ一つをしっかり伝える努力を惜しまないぬり江、ウケ方がちがってきました。伝わっている証拠。
「てれすこ」をかけたあーと。奉行をぎゃふんと言わせる王道噺。この後悲話を演じるハイブリッド落語。
トリの八三つはネタおろしの「無精猫」高難度出雲弁をよくぞここまで仕上げました。お客様大喜び。
お客様をお見送り。「とてもおもしろかったから、また来てください」「ありがとうございます」こんな会話をたくさんしました。

嵩見団地真打ち競演(R6/8/10)

  • 松江市西川津町嵩見会館(30名)
  • 出演者と演目 気まぐれ「寿限無」、いる歌「カレンダー」「あなごのからぬけ」、ぬり江「転失気」、仲入り、ふらめん子「オランダのウグイス」「皿屋敷」、紅歩っぺ「牛ほめ」

 写真を担当してもらっている佐野さんが、狙える位置で撮影されましたので、アップ特集です。

気まぐれ「寿限無」の初演。見事な泣きっぷり!
いる歌「あなごのからぬけ」お客様もいっしょになぞなぞを考えて「うーん・・・」
ぬり江は自治会長のリクエストにこたえて「転失気」。板に付いてきました。
ふらめん子の「皿屋敷」。この日もスターお菊と推したちは大にぎわい。
トリは、紅歩っぺの「牛ほめ」。となりの子どもたち肩震わせて笑っていました。

広瀬ホットサロン寄席(R6/7/28広瀬社会福祉センター)

  • 広瀬社会福祉センター 37名
  • 出演者と演目 気まぐれ「夕立屋」、つや姫「まぬけなどろぼう」「じゅげむ」、あーと「梅津忠兵衛」「おしどり」、(仲入り)、あーと「たぬきの土居くん」、ぬり江「ぞろぞろ」「転失気」、ふらめん子「ムカデのつかい」「オランダのうぐいす」「皿屋敷」
出番前
この日の開口一番は、気まぐれ。何番目であろうと臆することはありません。表情のかたさもすっかり取れてニコニコして話せるようになりました。
つや姫は、「まぬけなどろぼう」と「じゅげむ」を続けて演じました。前日よりさらに大きく声を出して、新しい動きも取り入れて、パワーアップしました。
あーとは、この日2度高座に上がりました。前半は、小泉八雲の怪談から「梅津忠兵衛のはなし」と「おしどり」おしどりでは悲嘆にくれる雌鳥を熱演。
後半は、「タヌキの土居くん」タヌキ名物死んだふり。とてもかわいい話ですが、30分近い大ネタです。たくさんの登場人物をいきいき描きました。
ぬり江のマクラは自分で描いた絵をもとに語ります。絵にちなんだなぞかけやクイズを使ったお客様とのやりとりもどんどんなめらかになっていきます。
トリのふらめん子は、小咄で沸かせてから「皿屋敷」。ちょっとはすっぱなお菊さんを好演。こわいシーンからギャグ満載のシーンへの転換がみごと。
終演後、前に勢揃いして、質問を受けました。「どうして落語やろうと思いましたか?」「足しびれませんか?」など、みんな自分の言葉ではっきりお話しできることに感心。これも場数ではあるのですが、おどおどしたところなど微塵もありません。
プレゼントの中には、コマもありました。回し方の見本を見せてもらいました。
きれいな細工物や、メモ帳やたくさんのごぼうびいただきました。
おかえしにぬり江手作りのキーホルダーをプレゼント。こんな直接のやりとりがうれしい。

第2回おはなしレストラン寄席(R6/7/27県立大学松江キャンパス)

  • 県立大学松江キャンパスおはなしレストランライブラリー 30名
  • 出演と演目 紙ひこうき「雨もり」「なにもしていない」、気まぐれ「夕立屋」、八三つ「まわりねこ」、つや姫「まぬけなどろぼう」、ぬり江「ぞろぞろ」
紙ひこうき、小さい子のお客さんが多かったからか、いつも以上に張り切っていました。
気まぐれ、高座に上がる度に言葉の精度が上がっています。滑舌がとってもよくなりました。
八三つ、初めてのお客様にはまずはこのネタ「まわりねこ」。出雲弁高難度のネタも現在仕込み中。
つや姫、大きな声を出せば表情も大きくなる。今まででいちばん大きな声が出せたかな。
顔で演技がずいぶんできるようになりました。マクラを急遽長くして、時間通りにしました。トリの風格。
終演後の各種紙飛行機の披露。子どもたちにプレゼントして、みんな大喜び。本人も大喜び。

三遊亭竜楽独演会in松江(R6/7/21彩雲堂本店)

  • 彩雲堂本店(50名)
  • 演目 ふらめん子「なんでもほしい」「皿屋敷」、あーと「おしどり」「まんじゅうこわい」
三遊亭竜楽独演会の前座を務めました。開口一番のふらめん子は、小咄から「皿屋敷」。前半の怖いところはじっくり語り、後半のお笑い部分は、がらっと打ってかわって元気よく、はじけるように演じました。
続いて登場したあーと。ここでかけないでどこでかけるという「まんじゅうこわい」。彩雲堂の銘菓を次々並べ、食レポも研究の成果を折り込み大受けでした。後半はキリリと切り替えて小泉八雲怪談から「おしどり」。

えーひだサマーフェスタ(R6/7/21えーひだカンパニー)

  • えーひだ市場(25名)
  • 演目 紙ひこうき「雨もり」「何もしていない」、気まぐれ「夕立屋」、いる歌「カレンダー」「穴子のからぬけ」、つや姫「じゅげむ」「たの吉とうわばみ」、ぬり江「初天神」、紅歩っぺ「牛ほめ」、八三つ「祭りのカメ」「ケチな親子」「まわりねこ」
会場は、安来市広瀬町比田にあるえーひだ市場。ちょうどテントの壁を隔てた室内が寄席会場でした。
えーひだサマーフェスタ。いくつもの模擬店や太鼓やブラスバンドの発表もあって地域を挙げた夏祭りです。
開口一番はまかせなさい。活塾亭紙ひこうき。この日も何機か用意した中から厳選して、快調に飛ばしました。写真からもかなり複雑な構造をしていることがわかります。小咄も安定の発声でスカッと決めました。終演後は、虫かごと網をもって川遊び。夏休みのスタートダッシュもバッチリです。
この日が初舞台の活塾亭気まぐれ。とはいえ、東奥谷教室やシニアコート北田町では、お客様を前にして小咄をしているので、堂々としたものでした。ひとつひとつの言葉がしっかり届くという、基本中の基本が大切にされていました。落語の稽古は気まぐれを封印したようです。これまででいちばんの出来でした。
活塾亭いる歌も初舞台。小咄と「穴子のからぬけ」を披露しました。与太が兄やんとなぞなぞごっこをする話。最後には、与太にいっぱいくわされるのですが、したたかなところをかくして無邪気にふるまう与太を好演。舞台度胸も満点。これからたくさんのお客様の前に立って、どんどんたくましくなることでしょう。
活塾亭つや姫は、久しぶりのネタ「寿限無」と「たの吉とウワバミ」をかけました。はじめのころのネタを時を置いてまたかけるのも楽しいものです。再読に似て、新たに気づいたり、考えるゆとりができたり。言葉の粒が以前に比べてずいぶん立ってきており、滑らかな聞きやすい噺になりました。
この日は、祭りつながりで「初天神」をネタおろしした活塾亭ぬり江。おとっつぁんと金ぼうの会話に加えて登場人物も複数あり、動きもたくさん入る長くて難しいネタですが、最後まで途切れることなく演じました。飴やだんごのみつをなめる効果音も練習の成果あって、よく受けていました。
活塾亭紅歩っぺの「牛ほめ」。このネタ、自分が聞いててやりたくなったもの。昔の難しい言葉がたくさん出てくるのにちょっと不思議に思っていましたが、この日も聞きに来ていた子どもたちがよく笑っていました。たとえ意味がわからなくても言葉の響きで笑わせるなかなか高度な噺だと再認識しました。
トリの活塾亭八三つ。初めての会場では外せない「まわりねこ」でしめました。比田地区に敬意を表して、出雲弁は「比田のじいかま」になってしゃべりました。写真は、最初の名乗るところ。始めた頃に比べて角度が上がってきました。これは自信や調子のバロメーター。好調でしたねえ。
いっぱいのおはこび、どうもありがとうございました。

こども落語とかんべこども語り部の会(R6/6/15出雲かんべの里民話館)

  • 2024年6月15日(土)10:00〜11:15
  • 出雲かんべの里民話館 50名
  • 出演 かんべ子ども語り部の会のみなさん、かんべ語り部三好さん、活塾亭紙ひこうき、活塾亭紅歩っぺ、活塾亭ぬり江、活塾亭つや姫
  • 演目 紙ひこうき「紙飛行機実演」「雨もり」「なにもしていない」、紅歩っぺ「牛ほめ」、(仲入り)、ぬり江「転失気」、つや姫「たの吉とうわばみ」「まぬけなどろぼう」
活塾亭紙ひこうき
 開口一番の専門家、活塾亭紙ひこうき。写真左上を快速で飛ぶ飛行機をご覧ください。決して単純な折りではなく、尾翼にわずかな起伏をつけるなどかなり精密です。これですっかり調子を上げて、いつもの小咄も語りの部屋に響き渡って、お客様から拍手や感嘆の声をたくさんいただきました。
活塾亭紅歩っぺ
 続いての高座は、活塾亭紅歩っぺ。この日はネタおろしの「牛ほめ」。これは15分近い大ネタです。与太郎とおとっつぁんの微笑ましいかけあい、与太郎が本領発揮のトンチンカンなほめ言葉、明るい語り口が与太郎の愛らしさを引き出します。見事に演じ終えて、客席のあちこちから賞賛の言葉が聞こえてきました。
活塾亭ぬり江
 活塾亭ぬり江の名前の由来は得意の塗り絵から来ておりますが、毎回進化を遂げて、もう描画です。この日は大好きなアジサイをぼかしの技法を駆使して披露し、盛大な拍手を浴びておりました。落語は「転失気」これもまた15分の大ネタですが、珍念のニコニコや和尚様のニヤニヤが話を彩って、お客様も大喜びでした。
活塾亭つや姫
 トリは活塾亭つや姫。この日は会場の「出雲かんべの里民話館」由来の「たの吉とうわばみ」から入りました。出雲弁を覚えるのに苦労しましたが、お客様の喜び方はやはり特別。方言の威力を存分に感じました。写真は「きれいだこと、まるでつや姫さんみたい」と言ってドッと受けたところ。どろぼうネタもばっちりでした。
 この日も見に来てくださった上定松江市長と記念撮影。市長の両隣は、子ども語り部の二人。これを機会にまたコラボできるとうれしいです。
 お客様のお見送り。みなさん、笑い声も拍手もつぶやきもとっても温かくて、子どもたちがいい気持ちで高座を務めることができました。ありがとうございました。

こども寄席(R6/5/11さんびる文化センタープラバホール)

  • 2024年5月11日(土)10:30〜11:30
  • さんびる文化センタープラバホール2F大会議室 70名
  • 出演 活塾亭紙ひこうき、活塾亭紅歩っぺ、活塾亭つや姫、活塾亭八三つ、活塾亭あーと、活塾亭ふらめん子、活塾亭ぬり江
  • 演目 紙ひこうき「雨もり」「なにもしていない」、紅歩っぺ「弟の手紙」「ネズミの大きさ」「おしっこの検査」、つや姫「まぬけなどろぼう」、八三つ「祭りのカメ」「ケーキを10個」、(仲入り)、あーと「動物園」、ふらめん子「貧乏神」、ぬり江「転失気」
活塾亭紙ひこうき
開口一番に復活の紙ひこうき、新型の紙飛行機を用意して臨みました。舞台が低かったので急遽立ち上がっての初フライトになりましたが、高座5回目ともなると落ち着いたもので、無事に飛んだのを見届けてから小咄に入りました。
活塾亭紅歩っぺ
高座2回目の紅歩っぺ。マクラを替えて、それがしっかり受けて、勢いに乗りました。あせらずゆっくりとテンポよく語り、言葉が一つ一つきちんと届いていました。リハーサルでかけた「牛ほめ」がすばらしく、次の舞台を乞うご期待。
活塾亭つや姫
回を追うごとに、言葉に力が増し、表情で見せられるようになってきました。この日は、落語会としてはネタおろしになる「まぬけなどろぼう」東奥谷教室常連のおばさんからも協力を得て、とても楽しい噺に仕上げていました。
活塾亭八三つ
この日がネタおろしの「ケーキを10個」。実は体調を崩していて稽古が不十分だったとか。それでもあえて、新ネタにチャレンジした勇気がりっぱです。工夫の余地たっぷりの楽しい噺なので、これで安心して噺を育てていけます。
活塾亭あーと
後半のスタートはあーとの「動物園」10分強の長いネタですが、まったく緩みなく、ノンストップでくすぐりを次々繰り出しました。東林寺と今回のお客様の反応のちがいにも気づいたようです。お客様や会場の一期一会。だから高座は楽しい。
活塾亭ふらめん子
久しぶりに「貧乏神」をかけました。貧乏神とそれにお金をせびる徳さんのかけあいでは、それぞれの人物になりきってグチを言い、「ラパンで6000円の肉」など、地元ネタも入れて、喜んでもらいました。ラパンの人、聞いてくれたかな。
自身最長10分超ロングバージョンの「てんしき」でネタおろししました。登場人物も多く、それだけ複雑ですが、単語の一つ一つがきれいに響いて、お客様とイメージの共有がばっちりできていました。日々のネタ繰りのたまものです。
上定松江市長と
開演前、上定松江市長から激励を受けました。

舞台裏など、楽しい写真を載せています → ギャラリー

子ども寄席の開場を待つ人の列思いのほかに長く続けり
紙飛行機とばして語る名の由来 まだまだ六歳言葉難し
姉を追い落語始めし弟のとつとつ語るに引き入れらるる
高座名紅歩っぺとなり身の周りいちご増えたと顔上げ笑みぬ
知ってると思いつつ聞くも巧みなる身ぶり手ぶりに盛んな拍手

木下みゆき「かりん」2024年8月号より

第1回おはなしレストラン寄席(R6/4/27)

  • 日時 2024年4月28日(日)午前10時30分〜10時50分
  • 会場 島根県立大学松江キャンパスおはなしレストランライブラリー研修室 25名
  • 出演 活塾亭あーと、活塾亭ふらめん子
  • 演目 あーと「子ぎつねと子だぬき」「たぬきのさいころ」、ふらめん子「ムカデのつかい」「桃太郎」
あーとは、たぬき2題をネタおろし。独自のくすぐり(ギャグ)をたくさん入れて、楽しく演じました。お客様もかわいい子だぬきがやらかすたびに大喜びでした。目や手、上半身の動きが高座の度に大きくなって、迫力が出てきました。
ふらめん子、前回「速くなってしまった」と残念がっていただけに、今回は言葉がきちんと伝わることを意識してスピードも発声も気をつけました。娘にやりこめられる父親がお客様にもしっかり浮かんでたくさん笑っていただきました。

ロビーでお客様をお見送り

おはなしレストランライブラリー 活動記事

東林寺(R6/4/14)

  • 2024年4月14日(日)午後2時〜4時
  • 松江市外中原町358月照寺隣東林寺
  • 主催:松江算数活塾 来客数約90名
  • 出演 笑福亭喬若、活塾亭紅歩っぺ、活塾亭つや姫、活塾亭ぬり江、活塾亭ふらめん子、活塾亭紙ひこうき、活塾亭八三つ、活塾亭あーと
  • 演目 喬若「時うどん」、紅歩っぺ「弟の手紙」「ネズミの大きさ」「おしっこの検査」、つや姫「じゅげむ」、ぬり江「夕立屋」「ごんべえだぬき」、ふらめん子「なんでもほしい」「桃太郎」、(仲入り)、喬若「ちりとてちん」、紙ひこうき「雨もり」「何もしていない」、八三つ「祭りのカメ」「ケチな親子」「まわりねこ」、あーと「動物園」
開口一番は、スペシャルゲストの喬若さん。「自分が最初の方がおもしろいでしょ」あくまで子どもたちを立てて、その盛り上げ役を買って出てくださいました。落語入門編をマクラに所作で笑わせる「時うどん」。主人公のアホぶりがいかにも上方落語で、上方落語入門にもなりました。
この日が初舞台の紅歩っぺ。緊張を感じさせない落ち着いた口調、よく通る声で、言葉一つ一つをしっかりと伝えました。小咄三つとも、オチまでゆっくりつないで、たくさんの笑い声が響きました。これまでの稽古やリハーサルひっくるめて最高の高座を本番で演じたのは、お見事でした。
何度もかけて自信を持っているネタでも、ちょっと言葉を取り違えるとリズムが崩れてしまうもの。話芸のこわいところです。つや姫、あわてず言い換えて、元のリズムを取り戻しました。声も小さくならずなめらかに仕上げたのはりっぱでした。自力で対応できた経験は、今後に生かせることと思います。
松江の塗り絵師ぬり江は、塗り絵でない愛犬の絵を初披露。毎回何かを試みる意欲がすばらしい。この日ネタおろしの「ごんべえだぬき」。いたずらだぬきの頭の毛を剃って逃がしてやるという滑稽話です。この表情でオチを決めて客席を沸かせました。「ぞろぞろ」に続いてのカミソリねたで切れ味向上中。
前回に続いて「桃太郎」に挑んだふらめん子。父親を言い負かす娘を多彩な表情で演じて、お客様にたくさん笑ってもらいました。ただ、本人はこの日の出来が不満だったと聞きました。「それでこそ、ふらめん子!」もっとうまくできたはず、その思いがもう次の一席を育て始めています。
仲入りは、初めての試みとして、抽選会をしました。当選者には、出演者全員のサインの入った色紙をプレゼントしました。
後半のスタートも喬若さん。開口一番同様、このポジションも喬若さんからの申し出です。膝隠し、見台という上方落語独特の道具を使って演じるは、おなじみ「ちりとてちん」。パチパチと見台から響く音に乗せられて、客席は大笑いの連続に。見台使ってみたい子が出現するかも。
前日、準備の具合を見に来た紙ひこうきは、できたての高座に何度も繰り返して上がっては、持ちネタの小咄二つを演じました。そのうちだんだんと興奮状態になり、ついには絶叫するに至りました。本番は、しっかり抑制が利いて、ちょうどよい音量で元気よく話し、さかんな拍手をいただきました。
活塾亭八三つ
小咄二つと「まわりねこ」をかけた八三つ。特に後者は地元開催必需。今回の高座は少し狭く、四股を踏むのが難しかったのですが、座布団をうまく動かして、高々と上がる新体操風味の四股を披露しました。松江のじいかまが登場するシーンは、出雲弁砲炸裂。お客様のうれしそうな声が響きました。
活塾亭あーと
今回のトリを務めたあーと。かけたねたは「動物園」。実はこのネタ、二月に喬若さんが稽古に来られたときに演じられたもの。ぜひやってみたい、と喬若さんに台本を用意してもらって取り組みました。ネコ科大好きを自称するだけあって、研究の成果を随所に織り込んだオリジナリティーあふれる一席になりました。
「本日はどうもありがとうございました。足下に気をつけてお帰りください。ありがとうございました」追い出し太鼓のお囃子に乗ってあーとのごあいさつで寄席が終わりました。お帰りになるお客様を見送る子どもたちと喬若さん。お客様から声をかけられ、それにこたえる大切な時間です。
みなさん本当にお疲れ様でした。

葵ライオンズクラブ研修会(R6/4/4すいてんかく)

  • 2024年4月4日(木)午後12時30分〜午後1時
  • すいてんかく(葵ライオンズクラブ例会 40名)
  • 活塾亭紙ひこうき、活塾亭つや姫、活塾亭あーと、活塾亭八三つ、活塾亭ぬり江、活塾亭ふらめん子
  • 紙ひこうき「雨もり」「何もしていない」、つや姫「寿限無」、あーと「てれすこ」、仲入り(塾長挨拶)、八三つ「まわりねこ」、ぬり江「ゾロゾロ」、ふらめん子「桃太郎」

 開口一番 紙ひこうき
 好きすぎる紙飛行機の披露も3回目で最も長い飛行時間。「おおっ」と驚かれて、大満足。小咄も会場全体にしっかり届く元気な声でできました。

 つや姫
 きょうだいコンビも3回目。「寿限無」は声の大きさや、動きに変化を付けて、噺の世界をこれまでよりさらに広げました。回を重ねるごとに発声が強くなっています。「じゅげむ、じゅげむ」と繰り返す度にこの日もクスクス会場から笑い声。

 あーと
 前日に内容に手を入れたばかりなのに、すっかり自分のものにしていました。言葉の一つ一つをていねいに届けているので、お客様の脳内にしっかり情景が浮かんでいます。必ず人物造形に一工夫も二工夫も加えて高座を迎えます。

 八三つ
「強いものと言ったら横綱照ノ富士?今は尊富士か」こういう時事ネタのくすぐりはウケます。四股をふむ場面では「よいしょ」と会場から掛け声が飛びました。出雲弁の場面は鉄板で、「はあ〜」の一言でその世界に引き入れます。

 ぬり江
 回数を重ねる度に堂々としてきている、とはご家族の感想です。伝える、という意識が強まっているからこその堂々でしょう。床屋さんのキャラクターがだんだんとはっきりしてきて、よりおもしろくなっているのも回数の効能です。
 

 ふらめん子
 この日のトリ。本人にとっては、これまでで一番の大ネタを卸しました。賢くこまっしゃくれた登場人物をやらせたら、ほんとうに生き生きと描きます。この日このネタをかけることにした覚悟と完成に向けた努力が粋で実にかっこいい。