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  • 2024年1月21日(日)午前11時30分〜12時10分
  • 上乃木集会所(古志原山根自治会60名)
  • 活塾亭つや姫・活塾亭ぬり江・活塾亭八三つ・活塾亭ふらめん子・活塾亭あーと
  • 演目 つや姫「雨もり」、ぬり江「なにもしていない」、八三つ「祭りのカメ」「ケチな親子」、あーと「ふしぎな花屋さん」「じゅげむ」、ふらめん子「なんでもほしい」「ムカデのつかい」「オランダのウグイス」、(仲入り)ふらめん子「貧乏神」、あーと「雷の親子」「まんじゅうこわい」
活塾亭つや姫

 トップバッターは、入塾9日目での初舞台、活塾亭つや姫さん。人前で話すのはとてもとても…と言いながらも、落語には興味があって体験教室に参加しました。その時は、かなり緊張気味でしたが1週間後の稽古では、見にいらした教室ご近所の皆さんを前に覚悟を決めて、覚えた小咄をしっかりと声を出して演じました。「よく聞こえたよ」と声をかけられてにっこり。これで自信がついたのでしょう。その二日後の初舞台、寄席の開口一番を進んで引き受け、稽古の時よりもさらに強く大きな声で勢いよく演じました。
 この後全員がとても強く声を出して演じたのですが、一番バッターつや姫さんのクリーンヒットがみんなを勢いに乗せたのでした。

 2番手は、これまた入塾9日目の初舞台、3年生の活塾亭ぬり江さん。つや姫さんとともに体験教室で小咄を体験しましたが、「もう大丈夫、覚えたでしょう?」「いや、もう少し」と何度も練習を繰り返していました。座布団に座って人前で話すことがちょっぴり怖かったのかもしれません。同じく1週間後の稽古日は、家で繰り返していた成果で少し余裕を見せていました。やはり見に来られたお客様から回を重ねてだんだん声が強くなっていったのを認めてもらって安心できたようです。
 この日は、表情を見るとすっかり落ち着いていました。名前の元になった得意のぬり絵も披露し、これから高座のルーティンになりそうです。小咄もこれまでで最高の出来で、お客様にどっと笑ってもらいました。

活塾亭八三つ

 3番は、活塾亭八三つさん。学園デイサービスで行った第1回活活こども寄席のときはまだ入塾前で、フラメンコダンスでの参加でした。楽しかったようで落語にもチャレンジ。稽古の時に特に練習したのは、「誰に向かって話しているか」を意識することでした。視線をそらさず、強い声で話しかける。相手役を引き受けてくださったおじさんが「今のは話しかけられているのがはっきりわかったよ」と言ってくださったことがきっかけで、噺にメリハリが生まれました。その後、この日の高座まで家でしっかり稽古したのだとわかる力強い発声で、二つの小咄、堂々と演じました。どちらもオチがバッチリ決まって、たくさんの笑い声と拍手を浴びました。

活塾亭あーと

 キャリアの長い(といっても4ヶ月ですが)あーとさんとふらめん子さんは、前半と後半2回高座に上がりました。写真は「まんじゅうこわい」で、みっつぁんが本当は大好きなおまんじゅうを食べるところ。菓子処松江の老舗和菓子屋さんの銘菓を食レポつきで演じました。これにはお客様も大喜び。おうちで実際に食べ比べてみたそうで、見事なリアリティでした。自由な創作をいくらでも入れられるのが落語のおもしろさであり、すばらしさです。どの噺にもちょっとした新しいアイデアを試みるあーとさん、落語をなぞるのでなく、広げているところがまさにアートです。

活塾亭ふらめん子

 ふらめん子さんは、前半に小咄三つ、後半はネタおろしで「貧乏神」を演じました。入塾したてのころは、ちょっとした小咄にさえ「長い…」と不満をあらわにしていましたが、この長いネタを正確にそして大胆に演じるようになったのだから長足の進歩です。覚えることへの抵抗感などいつの間にやら消えてしまいました。ふて腐れてみたり、おねだりしたり、登場人物の心の内を目や手、口の動きで表現するので、噺の世界が実に生き生きと立ち現れます。稽古の時に、飛ばしてしまっていたセリフなどもしっかり修正されていました。努力に裏打ちされた完成度の高い「貧乏神」でした。

活活こども寄席
活活こども寄席

 終了後、主催者の方から「みなさん、よかったよかったと、ほんとに喜んでくださいました。ありがとうございました」とのうれしい言葉をいただきました。こちらこそ、良い機会をありがとうございました。
 松江算数活塾落語教室花の噺家五人衆、今後の活躍に乞うご期待!

(文・宮森健次/写真・佐野明美)

Tさんのメール

  イベントを企画するとき、毎度迷うのがアンケートです。あの扱いにくいクリップペンシルで挟まれたアンケート用紙。どうも私は、直後に感想を書くということが苦手で、積極的になれません。でも、実際どう思われたのか、運営に問題はなかったか貴重な意見をいただけるのも事実。今回も、簡便なものでもやってみようかと思いはしたのですが、結局やめました。

 終わってから、主催者代表のTさんや役員の皆さんからお礼を言われたのですが、こどもたちの落語がどうだったのか具体的にはどなたからも聞けなかったので、やっぱり書いてもらった方がよかったかなと思いました。

 ところが翌日、Tさんから長いメールが届きました。寄席後の新年会を終えて、役員さんたちで二次会に流れたら、席上自然とこどもたちの落語の話になった。一年生四人と三年生一人なのだと告げると、大騒ぎになった。緊張の中であれだけできるのはなぜだ、声も大きいし所作もしっかりできている、大人の落語よりいいじゃないか、感激した、と口々に。

 このメールを読んで、アンケートとらなくてよかったと思いました。あの書きにくいクリップペンシルで(そこまで嫌わんでも)、ひとたび言語化してしまったら、二次会がその話でもちきりとまではならなかったかもしれませんし、メールの中身はまったくちがうものになったことでしょう。ほんとうに心動かされたときは、言葉になるまでに時間がかかりますから。一夜明けてのTさんの二次会レポートから、いかにみなさんがこどもたちの落語に感動されたか、ようく伝わってきたのでした。

 この感じ、なんかの噺にあったぞ、としばらく考えていたら思い当たりました。「中村仲蔵」。いい噺ですよ、これ。