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①逆唱体験を

塾長「どれどれ、このテストですかあ。ああ、活ママ、心配ご無用。むしろ大チャンス!

 ねえ、あおいちゃん、ちょっと13- 4をしてみて」

あおい「13- 4は4ひくだから、

塾長「やっぱりね。」

引き算

 あおいちゃんは、ひく1の指のとき13と言っています。4ひくことを「かぞえひき」でしっかり考えて計算しています。

 くり上がりのたし算では、さくらんぼ計算という計算の仕方を学びます。ただしその前段階で、8、9、10、11、というように「かぞえたし」もていねいに教えてもらうので、比較的つまずきは少ないです。

 その次の、くり下がりのあるひき算では、さくらんぼ計算がわかっているものとして取り扱われることが多いです。しかも逆唱経験は順唱経験に比べ少ないのでつまずきやすくなります。

 でもこのつまずきは貴重な経験。0、1、2,3と唱えてしまっていることを1、2、3,4に直すように、12、11、10、9と逆唱経験を積むといいでしょう。「ちかみちよりもまわりみち」、この経験によって数のしくみが一段高いところから見えることでしょう。」

②粉のサイズ?

塾長「ですよねえ。すぐには無理だし、わからなくても大丈夫ですよ。六年のまとめでしますし、どうせやっても、それまで覚えているわけないですよ。それに、アメリカでは、マイルだのポンドだのガロンだのと言って、メートル法を採択してないですからねえ。」

塾長「ごめんなさい。では、今回は遊び心で、漢字で勉強してみましょう。なんてったって、松江算数活塾は国語を基盤とした算数を謳っていますから。」

 一八五〇年(明治十八年)日本は新しい統一単位であるメートル条約に加入し、国民に

広く馴染むよう漢字表記を考えました。「m」を「米」、「g」を「瓦」、「L」を「立」としたのです。

塾長「米、瓦、立をそれぞれ定め、㎞も㎏もkLも決めました。「㎞」は「粁」です。」

塾長「どうしました。あっ!って。」

塾長「すごいですねえ。教科書で教えないところまでわかっちゃいましたねえ。」

塾長「ありますよ。㎎は瓦に毛です。毛は「もう」と読みます。」

塾長「そうです。そうです。」

塾長「ありますよ。粁、粨、籵、米、粉、糎、粍と並びます。1デシメートルは粉と書きます。10㎝で粉って、サイズ感が合いませんね。」

③全九九、半九九

塾長「そりゃあ忘れちゃいますよ。また覚えればいいだけのことです。九九で思考力を開発するわけではないですから、心配は要りませんよ。」

塾長「そんなつもりはないですけれど、英語圏では九九は無いですし…。」

塾長「そうですね。おっしゃる通り。それでは、半九九を試してみましょうか。」

塾長「そうです。半九九です。日本の九九の始まりです。

 日本の九九は、平安時代に中国から伝わってきたと言われています。九九をなぜ九九と呼ぶかというと、インイチでもニニンでもなく九九から始まったからです。

 九九 八九 七九 六九 五九 …一九

    八八 七八 六八 五八…一八

       七七 六七 五七…一七

          六六 五六…一六

というような順で並んでいて、覚える九九も少ないです。半九九には、ハチロクもシチロクも登場しませんよ。」

塾長「いやいや冗談ですよ。半九九の並びを覚える方が難しいから、すぐに『学校でした九九の方がいい』って言いますよ。」

塾長「それよりもインドの九九はね。19×19まで361個もあるんです・・・」

④基本の呪文「分けて計算してあとでたす」

凹型

塾長「そうですね。でも、お困りってほどのことでもないですし、私はカツオちゃんの考えは基本に忠実ですばらしいと思いますけどね。」

7+5

塾長「カツオちゃんのような分割して考える思考形式は基本中の基本で、小学6年間を貫いています。1年生では、右図のさくらんぼ計算がそうです。この基本となる分割する考えを最初に試そうとする構えはとてもいいんですよ。」

塾長「基本に対しては応用ですね。応用は、「全体から部分を引く」考えで、くぼみの部分を引くんですね。そして、どちらかというと、このテストではこっちの応用の方が期待されているでしょうね。」

塾長「たまたま計算ミスがあったから言うわけではないですが、基本あっての応用ですからね、基本と照らして応用がわかる方がいいですよ。怪我の功名ですよ。」

塾長「私は、基本を「軸」としてはっきり認識させるために、「分けて計算してあとでたす」というキーフレーズにして教えています。さくらんぼ計算もできるだけ早いうちに「分けて計算してあとでたす」に言い換えて、54 ÷3の筆算も 30 ÷3 と 24 ÷ 3に「分けて計算してあとでたす」、サッカーのユニフォームの上が1150円、下が850円の時の11人分という問題も「上下べつべつ方式」「上下いっしょに方式」などと言わずに「分けて計算してあとでたす」にそろえています。すると、子どもたちは、まずは分けてみようと動き始めるんです。」

「基本から応用に向かうのが算数のお作法です。この問題に限っての話だと応用の仕方がわかればいいことになりますが、小学校算数では圧倒的に分けて考える場面が多いですから、基本に忠実であることはすばらしいことなんですよ。ちかみちよりもまわりみちです。」

塾長「肝心?肝心じゃないですけどね…。それは次号で。」

⑤のつづき 見えないところが見えるようにする

塾長「基本さえしっかりしていればいいんですよ。」

塾長「冗談言ってごめんなさい。要は基本あっての応用が大事だということを確認したかっただけです。」

「では、応用のお話です。こういった複合図形の面積を求める問題は、大きな長方形から小さな長方形を引く方が「計算がかんたんで楽」という数値設定の仕掛けがしてあることが多いです。でも、計算が楽ちんだからという理由だけで「全体から部分を引く」解法の方がいいと感じるのは、とてももったいないことだと思います。」

「この問題の醍醐味は、見えない部分に着目するところにあります。そこで、手っ取り早いのは、見えない部分をちょっと移動させることです。」

「点線が実線になって見えてきます。しかも、どれだけ移動させたかを知らせないでいると、応用軸の解法しか思いつきません。」 

「こんな風に取り扱うと、「見えない部分に着目する」「図形を動かして考える」という算数のお作法が身につきます。「ちかみちよりもまわりみち」

塾長「はい。喜んで。かしこまりました。」