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 定年退職をして一年が経ちます。小学校の先生になることが夢だったので、65歳まで学級担任を張るつもりでいましたけれど、自動的になれるものではないらしく、懸賞論文に没頭している間にその機会を逃していたようです。幸い、博報賞、パナソニック大賞のW受賞を果たし、高尾小学校の東京公演も果たせました。我が教員人生に悔いなし、有終の美に浴すだけの第二の人生も悪くないと思いました。

 ですが…。出会っちゃったんですよ。しまねっこちゃんに。

 一畑百貨店に架かる横断陸橋にしまねっこの横断幕がかかっていて、「講師募集」とありました。導かれるままにネット登録すると、丁寧なお願いの電話がいただけて、非常勤講師決定となりました。経歴を考慮されてか、あちこちの学級の算数授業に関わる仕事が与えられました。

 算数の授業を週五時間まるごとまかされるわけではありませんでした。3学年12学級の算数を一時間ずつ授業してまわるというオーダーでした。ざっと計算すると、年間350時間オーバーの飛び込み授業をしたことになります。

 学級担任をせずに、その時その時の注文に応じた単品授業の連続では、「ちかみちよりもまわりみち」といったクオリティーの高い授業は提供できませんでしたが、わずかな時間で算数の魅力に引き込もうとする工夫は今までになく鍛えられ、基本中の基本をぶれずに提供できたと思っています。

 落語教室の指導に「場数を踏む」というのがありますが、退職後にこれほどの場数を踏めるとは思ってもみませんでした。

 どんな注文にもキレのある、粋な授業で応えられる。そんな職人をめざして、また、しまねっこちゃんのお誘いにのってみようかな。

                                      

       (塾長 川上宜久)