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ナルニア国物語 1

氷の女王

 「ナルニア国ものがたり」は、イギリスの作家C・S・ルイスが書いた有名なファンタジーです。全7巻を通して読むとひとつの大きな物語として楽しめますし、どの巻も独立した物語なので1冊ずつ読んでもおもしろいです。今回は第1巻の『ライオンと魔女』を紹介します。

 私たちが住んでいる現実世界の子どもたちが、ナルニアという全く違う世界へ行くお話です。ナルニア国は偉大なライオンであるアスランによって創られ、ものいうけものや小人、巨人などが住む不思議な国です。

 ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィの四人兄弟は戦争中田舎に疎開し、老学者先生の屋敷に住むことになりました。広い家を探検していて大きな衣装だんすを見つけます。ルーシィがひとりたんすを開けて、かかっている外套の奥に足を踏み入れると、そこは真夜中の森でした。たんすの奥が別世界につながっているなんて!この場面がなんとも印象的で、最初から心をつかまれます。

 ルーシィはこの森で、上半身は人間で足はヤギのフォーン(タムナスさん)と出会います。ルーシィはタムナスさんの話から、ここはナルニアで冬が続いていること、それは白い魔女のせいであることを知ります。元の世界に戻り、兄姉にナルニアの話をしても信じてもらえません。ですが、次はエドマンドとルーシィが、その次は四人兄弟がそろってナルニアに入ります。そして子どもたちはものいうけものやアスランと一緒に、白い魔女と戦うことになるのです。

アスラン、スーザン、ルーシィー

 

 子どもの頃読んだ方も久しぶりに読み返してみませんか。まだ読んでいない方も、この作品がどうしてこんなに愛されるのか、読んでみてください。私は大人になってからこの本と出合いましたが、四人それぞれの気持ちが自分のことのようにわかる気がしました。ナルニアへ行ったルーシィが兄姉に信じてもらえない寂しさ。エドマンドがピーターの一言に意固地になってしまう気持ち。そんなエドマンドを助けようとするピーターのこと。スーザンとルーシィがアスランとたわむれる場面のこれ以上ない喜びも。

 子どもだった頃のいろんな経験や気持ちは、何歳になっても自分の中に残っています。だから大人でも児童文学を楽しめるのでしょう。作者ルイスも、自分が子どもだった頃の気持ちを忘れずにいる人だったに違いありません。

(『ライオンと魔女』ナルニア国ものがたり1 岩波少年文庫 C.S.ルイス作 瀬田貞二訳 小学4・5年以上)

         児童文学愛好家 天野和子